窓と外壁のバランス
窓と壁はいたってシンプルです。シンプル(単純)であればある程、窓と外壁の比率のバランスが大切になりますが、窓と窓の間隔は450ミリの倍数(繰り返し)であり、ルール化された窓配置の美しさは何とも言い難いものです。最近では、大きな窓を取り付けたいという施主の要望が多く見受けられますが、外壁とのバランスを見極めなければ、おかしな家になってしまいます。メゾネットハウスは、縦滑り出し窓を使用しています。
VACSパネルの割付を考慮し、リズムのある窓の配置を導き出します。また、出入り口ドアは、外壁から少し内側に取り付けて奥行きを出すことで、壁面に彫りの深い表情が生まれます。
同様に縦型の窓も、外壁より少し内側に取り付けます。外観からそれを見た場合、切り込みの線とその窓の縦の線が奥行きを持つことで、美しさがでます。
窓
トラス
構造自体がつくり出す美しさというのは、力の流れの美しさであると言えます。登り梁、真束、方杖、陸梁それぞれが役割を果たしながら、一体となって形成されたトラスは美しく、そのままを見せるデザインとなっています。洋のテイストの際は、壁と天井を塗りとし、和のテイストの際は木張りとし、いずれも壁と天井を均一化することで、トラスがつくりだす空間に奥行きを持たせます。
照明によって、光と影が生まれ、その反射する様がまた美しいのです。照明器具は目隠しし、塗り天井に反射したやわらかい光を意図的に演出しています。写真左側に厚みができているのは、屋根のはね出しの母屋を包み込んでいるためです。